Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話
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○ 2025年12月 2026年花粉飛散情報第1報
今年もついに師走となりました。私の個人的な感想ですが、暑い夏が終わると一気にまたたくまに師走になるような気がします。暑い夏(6月〜9月)はなぜか時間がゆっくりすぎて、気温が下がりはじめると(10月〜)時間がどんどん早くにすぎてゆく、という印象を持っています。日本の気候が四季から二季になりつつあるということと関係あるのでしょうか。 夏の暑さの後はさわやかな秋が来るのですが、秋を楽しもうとしているとあっというまに北風が吹き始めてしまいます。皆様はいかがおすごしでしょうか。
年末の今頃の時期になりますと耳鼻科医はそろそろ来年の春の花粉症の予想が気になり始めます。そこで2026年春の花粉飛散量予想を調べてみますと、関東地方では「かなり多い」となっていてちょっと驚きました。ひと言でいうと次のようになります。
北日本や東日本では例年より多く、西日本では例年並みとなるでしょう。
ここでいう「花粉」について。九州〜東北はスギ・ヒノキ。北海道はシラカバ花粉です。(北海道にはスギ・ヒノキの木はないということになっていますので。)「北日本や東日本」というのは具体的には東海地方から北海道までということですが、日本気象協会のデータでは2026年春の飛散予想数は北日本、東日本の2025年春の飛散数の1.3〜2.5倍と大変多い値が出ています。「西日本」というのは九州から近畿地方のことで例年並みということです。
以前もお話ししましたが花粉飛散予測は花粉飛散予測計算式で算出され、それは
@最高気温
A日射量
B最高気温年次差(前年との差)
C日射量年次差(前年との差)
が関係します。たとえばことしの東日本の場合は、最高気温や最高気温年次差はもちろん高くなりますが、それに加え6月中に梅雨が明け、7月以降も高気圧の勢力が日本付近で強い状況が続くと日射量や日射量年次差も高い値になり、雄花の生長には好都合な天候であったといえます。
花粉は植物ですから「高温・多照」という生育にとって好条件がそろえば多くの花粉がつきます。ただそれだけで無くそれに「表年」、「裏年」という条件も加わります。飛散量が多い年を表年、飛散量が少ない年を裏年と呼びます。2026年春は北日本、北陸、甲信地方で表年、西日本で裏年と言われています。
このように2026年春は関東地方はひどく花粉が多くなりそうです。
皆様くれぐれも花粉にご注意下さい。今からできる花粉症対策としては以下のようなものがあります。
○舌下免疫療法
12月までに始めて下さい。効果は最も見込まれます。ただ3年ほどかかります。しかし12月までに始めれば来年の花粉症シーズンは比較的楽にすごせると思います。
○初期療法
1月下旬ごろ、まだ症状がでないうちから薬を飲み始めます。症状がないのにのむということに抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが「転ばぬ先の杖」という言葉もあります。症状が出てからでは遅いので早めに薬をのむ事を強くお勧めします。
この2つは比較的、安値な方法です。興味のある方はお近くの耳鼻咽喉科にご相談下さい。
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