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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2025年8月 イヤーワーム earworm

 ここのところ連日、ニュースや天気予報で「危険な暑さ」、あるいは「猛烈な暑さ」という言葉がよく使われ、これらの言葉を聞いただけで、反射的に身構えてしまいます。 これからどんな言葉がでてくるのでしょう。「未知の暑さ」、「経験したことのない暑さ」想像しただけで暑くなってしまいます。皆様いかがおすごしでしょうか。

 今回のタイトルは「イヤーワーム earworm」です。イヤーワームのイヤーは耳、ワームは細長い虫で、イヤーワームとは「耳の中に住む細長い虫」です。
別に耳に虫が寄生しているという怖いお話しではありません。念のため。
 イヤーワームとは歌または音楽の一部分が心の中で強迫的に反復される現象です。つまり「音楽が頭にこびりついて離れない」状態です。音楽を聞いていない時に頭のなかでその曲が流れ続けることです。 

2012年フィンランドのアールト大学の調査により次のようなことがわかりました。 イヤーワームが起こりやすい人は

@若い人
A女性
B日頃から音楽に触れている人

 イヤーワームはどんなジャンルの曲でもおこります。
イヤーワームのきっかけになりやすいのは古い曲よりも現在の曲です。
イヤーワームが起こる原因は完全にはわかっていません。ただ、音や音楽を感じるときに活動する脳の「右横側頭回」という部分と理性に働く「右下側頭回」という部分のたんぱく質が少ないとイヤーワームが多発するといわれています。また、曲に関係する体験の記憶やストレスの有無などの精神状態も関係しています。

 音楽に関わる頻度もイヤーワームが起きる原因と考えられています。つまり日常的に音楽に触れる頻度が高いほどイヤーワームを起こしやすいといわれています。
イヤーワームの日常生活への影響として集中力が低下し、ストレスが増えてしまうということがあります。勉強や仕事に支障をきたすこともあるでしょう。そこでイヤーワームの止め方をいくつかあげます。

@ガムをかむ
口に何か入れることで、のどや口を刺激し、脳が新たな刺激を受け音楽への注意が分散されます。ガムを噛んだり、あめを舐めたりすることがよいとされています。

A意識を別のことに向ける
新たな仕事に注意を集中します。たとえば本を読んだり、問題を解いたりします。

B違う音楽を聴いてみる
気になる曲とは違う、好みの曲を聴いて「上書き」する。

C曲全体を聴く
あえてその曲まるまる1曲全て聴く

 イヤーワームは約9割の人が週に1回ほど経験している(!)とも言われる、けっして珍しい現象ではありません。でも、何となくひっかかるいやな現象です。あまり続くようででしたら対処法をためしてみて下さい。どれかで止まるとよいですね。

これからしばらくはお暑い季節が続きますが、熱中症にはくれぐれもお気をつけてお元気におすごし下さい。

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