やべ耳鼻咽喉科トップイメージです

Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

当月のTea-break > tea-breakバックナンバー

○ 2010年10月 「耳閉感について Part3(中耳が原因の場合)」

今月は、いよいよ耳閉感をひきおこす疾患の最後で、内耳が原因の場合です。

(3)内耳が原因の耳閉感

@メニエール病
メニエール病の主な症状はめまい、耳鳴り、難聴の3点ですが、3点が必ずしもそろうとは限りません。
どれか2点という場合もあります。そして耳鳴りや難聴という「きこえ」に関する症状に「耳閉感」を伴なうことが多いのです。

メニエール病の原因は不明な点が多いのですが、ストレスが原因ではないかといわれています。
メニエール病の診断は耳鼻咽喉科でつけてもらい、主に内服薬で治療します。
軽度のメニエール病の場合、「耳がつまったかんじ」だけで受診し、聴力検査を受けて初めて難聴がわかったという方も珍しくありません。

A突発性難聴
突発性難聴というのは文字どおり、突然におこる難聴で、原因が明らかでないものをいいます。
原因は不明なのですが、内耳の血液循環障害や、内耳のウイルス感染などが病因として考えられています。
突発性難聴の症状は難聴の他に、耳鳴り、めまい、耳閉感などがあげられます。耳閉感を感じる理由は不明ですが、内耳の障害でも耳閉感を感じることがあります。突発性難聴の治療は治療開始が早ければ早いほど良く回復するとされていますし、発症後ほぼ1か月で聴力が固定するため、疑わしい時はなるべく早く耳鼻咽喉科を受診して聴力検査を受けましょう。

B音響外傷
とても大きな音を聞いてしまったことが原因でおこる難聴です。
このうち、耳閉感を伴なうのは、急性音響外傷といわれる、大変大きな音を聞いて、急激に発症する難聴です。
この急性音響外傷も詳しくみれば、2つに分けられます。

()大きな音がするということを予期しない状況下で、ものすごく大きい音を聞いてしまった場合。一種の事故のような場合です。たとえば耳の近くでおきた爆発音、射撃音、パンクの音、花火の炸裂音などの瞬間的な音でも難聴がおきることがあり、耳閉感や耳鳴りも伴ないます。
たとえ冗談でも他の人の耳もとで「ワッ」と大声を出すことは止めて下さい。あるいは他の人の耳にむかって大きなくしゃみや咳をすることも止めましょう。

()音を聞こうとしていたのだが、その音が大きかったため難聴をきたした場合。聞いている時間は数分〜数時間と()より長めです。仕事での削岩機の音の他に、ディスコ難聴やコンサート難聴がこれです。やはり難聴の他に耳閉感や耳鳴りを合併します。

()も()も発症後早めに(5日以内)治療をうけると聴力の改善がみられるといわれています。逆に考えると、6日以上たってしまうと聴力はもどりづらくなります。難聴だけでなく、耳閉感や耳鳴りも残ってしまうこともあり、これもとてもつらいことです。特に()の場合は防ごうと思えば防げることです。少しでも不快感を感じる大きな音の場合は、早めに音から遠ざかる、あるいは急いで、何かたとえばティッシュペーパーを丸めて耳せんにする等の対応をして自分の耳を守って下さい。コンサートにたびたび足を運ぶ方でも、その日の席がたまたまスピーカーに近い席で、急性音響外傷になってしまったという場合もあります。
周囲の雰囲気に流されずに自分の耳は自分で守りましょう。

○耳閉感
○耳がつまったかんじ
○耳の中に水が入ってぬけないかんじ 等 
いろいろな表現のしかたがあります。そしてその原因も実にさまざまです。この症状は、たとえば痛くてがまんできないというほど激しいものではないですが、何となく不快な症状です。「耳がいつもと何か違う、おかしいな。」というときは一度耳鼻咽喉科を受診してみて下さい。たとえ原因が耳あかだったとしてもはずかしいことではありません。いつでも拝見しますので、安心して受診して下さい。

>>> 外耳が原因の耳閉感(2010年8月掲載)についてはこちら
>>> 中耳が原因の耳閉感(2010年9月掲載)についてはこちら

▲ページトップへ

 

やべ耳鼻咽喉科コピーライト
やべ耳鼻咽喉科トップページへ