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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2011年2月 スギ花粉症対策と準備、正しい鼻のかみ方

寒い1月が終わって、いよいよ2月になりました。
日の光が明るくなって、春に近づく2月はスギ花粉シーズンが始まる月でもあります。
「スギ花粉症」という文字を見るだけで、気分がふさぐ方も多いと思いますが、本格的な春の訪れ前に避けて通れないことなので、できるだけ準備をととのえて、のりきりましょう。

ことしの春のスギ花粉飛散が多いだろうということは、マスコミの報道などで皆様よく御存知と思います。飛散開始時期は、例年どおり、たとえば東京では2月の中旬ごろと予想されていました。ただ1月の低温のために、例年並みかやや遅くなるだろう。と若干遅くなるのではないかとも考えられるようになりました。でも飛び始めると恐らく多量に飛ぶので、いつ飛び始めてもよいように早めに準備して下さい。
最近は花粉症に関していろいろな情報が流れていますが、皆様、どの情報が御自身にとって大切かをしっかり見きわめて下さいね。
重要な順に並べると次のようになります。

1:セルフケア

これは、2010年1月、2011年1月とくり返し述べてまいりましたが、とても大切なことなので、しつこいですが、もう一度くり返します。
「セルフケア」とは、抗原であるスギ花粉を患者さんになるべく寄せ付けないを目的とします。スギ花粉症治療の第1歩で、患者さん御自身しかできません。むずかしいことはあまりありません。日常生活の中で、少し注意すればできることばかりですので、ぜひ皆さん実践してみて下さい。

外出時
①花粉情報に注意する。飛散の多い時の外出を控える。
テレビやインターネット等で流される花粉情報に注意を払います。一日の中でも花粉飛散の多い時間帯と少ない時間帯があります。可能であれば、花粉飛散の多い時間帯の外出は避けましょう。

②外出時にマスク、メガネを使う 。
どうしても外出しなくてはならない場合は、マスクやメガネなどでスギ花粉が入ってくるのを防ぎましょう。めんどうくさいと感じる方も多いでしょうが、意外と有効という声をききます。

③表面がけばだった毛織物などのコートの使用は避ける。
コートの表面がけばだっていると、そこに花粉が付着しやすく、帰宅時に室内に花粉をもち込む原因になってしまいます。できればナイロン素材などのように、表面がツルツルしている方が花粉がつきづらく、払うと落ちやすいのです。

帰宅時
④帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
帰宅したら、玄関に入る前にまず、よく払いましょう。室内に運んでしまう花粉を減らすことができます。これは花粉症でない人も、花粉症の家族の方のために実践しましょう。

在宅時
⑤飛散の多い時は窓、戸を閉めておく。換気時の窓は小さく開け、換気は短時間にとどめる。

⑥飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける。
ふとんを外に干してしまうと花粉が付着してしまうので、寝ている間に花粉を吸い込んでしまいます。洗濯物も残念ですが、室内干しの方が付着する花粉の数は少なくなります。

⑦掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除する。
固くしぼったぬれぞうきんで、水ぶきもした方がよいでしょう。

2:初期療法

薬物療法を花粉症の症状がでる前から始めると、いいことがいっぱいありますということです。

①花粉症の症状が始まるのが遅くなる。
②花粉症の症状が軽くなる。
③薬の量や使用回数を減らすことができる。

難点は花粉が飛散しはじめるとできないことぐらいです。花粉症の患者さんがこの文を読んだ時点で、ことしはまだ発症していない場合はぜひすぐに耳鼻科へでかけて薬を処方してもらって下さい。

3:日常生活での注意点

日常生活の習慣で花粉症の症状を悪化させるので、できるだけ避けたい注意点は以下のとおりです。

①ストレスの多い生活。
②不規則な生活リズム。睡眠不足。
③高たんぱく質や高脂肪の食生活。
④排ガス、大気汚染→排気ガスなどで汚染された大気中の微粒子が免疫反応をおこす抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進する。
⑤アルコール→鼻閉悪化

現代社会では避けることがむずかしい点もいくつか含まれていますし、一見花粉症とはあまり関係ないと感じる方もいらっしゃるでしょうが、どれもとても大切なポイントです。できることから手をつけてみて下さい。

■正しい鼻のかみ方のおさらい

花粉症の患者さんはもちろん、花粉症でない方も、かぜをひいた時には必ず鼻をかみます。しかし、正しく鼻をかんでいる方は意外に少ないのではないかと考え、2006年4月のこのコラムに「正しい鼻のかみ方」のせました。特に花粉症シーズンには、1日でボックスティッシュ1箱をつかいきるほど鼻をかむという人も珍しくありません。ここでもう一度、正しい鼻のかみ方をおさらいします。

○正しい鼻のかみ方 (>2006年4月のコラムはこちら

①片方ずつかむ。反対側の鼻を押さえてかみます。両方いっしょにかんではいけません。
②鼻をかむ前に口から息を吸う。鼻をしっかり押し出すために、空気を吸って準備をします。
③ゆっくり、少しずつかむ。一度にかまない。
④強くかみすぎない。少しずつやさしくかんで下さい。

ことしは、これに「かみ過ぎ後遺症対策」を追加します。花粉症の季節になりますと、男女を問わず、鼻や鼻の周囲をまっ赤にはらして、みるからに痛そうな方をよく見かけます。それがかみ過ぎ後遺症です。
かみ過ぎ後遺症には次のようなものがあります。

○鼻や鼻の周囲がまっ赤になってしまった!
○鼻や鼻の周囲の皮膚がかさかさになってむけてしまった!
○鼻の下の皮膚がひりひりして痛い!
○鼻をかむと鼻汁の中に血液がまじっている!

花粉症の患者さんは鼻をかまないわけにはいきませんが、少し注意して鼻をかんで下さい。

1.鼻をかむときは、できるだけやわらかいテッシュペーパーを使うようにしましょう。

2.鼻汁が鼻の下の皮膚に残らないように、鼻をかんだあと、きちんとぬぐい取り、清潔にしましょう。ただし、ぬぐい取る時はそっとやさしく。力いっぱいふくと皮膚がまっ赤になってしまいます。

3.鼻や鼻の周囲の皮膚の適度な湿り気を保ちましょう。ひどくなりそうな場合は、相談していただければ皮膚に塗る軟膏を処方します。

4.鼻をかんだあと、テッシュペーパーで鼻の中を強くゴリゴリふかないで下さい。きれい好きな方は鼻をかんだ後、テッシュペーパーを細長い棒状にして鼻の奥までふこうとしますが、鼻の入り口の粘膜が傷つくのでやめて下さい。鼻の入口に血液の固まりがついていても、これを指やテッシュペーパーではがさないで下さい。自然にとれるのを待って下さい。

「正しい鼻のかみ方」をことしはぜひ実践して下さい。

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