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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2011年8月 
「小さい子どもがよく耳をいじっているのは何か病気があるのでしょうか?」

 

 ことしは、関東地方では梅雨明け前から気温がどんどん上がり、びっくりしました。皆様の地方ではいかがおすごしでしょうか。

 今月は、自分の口で症状をはっきりまだ言えないような小さいお子さん(0歳〜2歳ぐらい)が、指で耳をよくいじっている場合、どのようなことを考え、どうすればよいだろうかということです。
2歳以上ぐらいの子どもさんで、御本人の口でたとえば

耳が痛い。
耳がかゆい。
耳に何かつまっている。
耳がよく聞こえない。
耳の中で何か音がする。
耳が何かへんだ。  等々

訴えられる場合は親御さんも症状がわかります。

 これらの症状がある場合は、たとえ子どもさんが元気であっても、ぜひ一度耳鼻咽喉科を受診して下さい。たいてい何かがみつかります。
さて、子どもさんがとても小さくて(0歳〜2歳ぐらい)、自分で症状を説明できない場合は、親御さんの鋭い観察眼がとても役立ちます。
さて実際にどのような場合に、しょっちゅう耳を指でいじるようになるのでしょうか。比較的頻度の高いものから並べてみます。

○外耳炎

耳が痛いことが多いです。しかしいつもいじっている場合は、掻痒感や異物感のために耳内をいじることも多いです。外耳炎も炎症が進むと膿瘍といって膿がたまり、大変痛くなったり、口が開けづらくなることもあります。

○外耳道湿疹  

耳がとても痒く、いつも耳をいじっている場合は、外耳道湿疹が多いです。時にはいじりすぎが原因で耳だれが出てくることもあります。

○外耳道真菌症  

外耳道に真菌(かび)が生えます。とてもとても痒く、常に耳をいじっている場合、外耳道真菌症の可能性もあります。

○耳あか  

耳そうじの際、耳あかを運悪くかえって耳の奥へ押し込んでしまった場合や、耳あかが鼓膜の上に落ちてしまってカサカサと音がする場合は、耳鼻咽喉科を受診してきれいに掃除をしてもらって下さい。子どもさんによっては耳あかが気持ち悪くて耳をいじることもあります。また耳あかがとても大きくなってしまった場合は、難聴や外耳炎の原因になることもあります。御家庭でうまくおそうじできない場合や子どもさんがいやがってうまくできない場合は、耳鼻咽喉科を一度受診して下さい。耳そうじだけの受診でももちろんかまいません。

○外耳道異物  

子どもさんは遊んでいて、いろいろなものを耳という穴に入れてしまうことがあります。入れるものは、おもちゃ、ビーズ、粘土、昆虫、小石、綿、紙、豆等さまざまです。入れたままにしておくと、外耳道に炎症がおきてしまうことがあります。おうちでとりのぞこうとしてもとれない場合は無理をしないで、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診して下さい。無理にとろうとしてかえって耳の穴の奥へおしこむことがあるので、耳鼻咽喉科でみてもらいましょう。

○急性中耳炎  

たいていの場合、耳が痛くなりますが、軽い場合は耳閉感(耳がふさがるかんじ)だけのこともあります。耳鼻咽喉科で診療をうけましょう。

○滲出性中耳炎  

耳は痛くなく、症状は耳がふさがるかんじと聞こえづらさです。自分の声がひびいてきこえることもあります。痛みはないので、子どもさんが自ら症状を訴えることは少なく、指で耳をいじるだけという場合もあります。注意深いお母さんが、「最近、聞きかえしが多くなった。」「テレビの音を大きくする。」等に気付き、耳鼻咽喉科を受診してはじめて診断された、ということも珍しくありません。

このように耳をしきりにいじっている場合は、外耳の病気や中耳の病気がひそんでいて、治療が必要な可能性もあります。耳の中は外からは全く見えない部分ですので、ぜひ、早めに耳鼻咽喉科を受診して下さい。



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