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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2012年4月 子どもに睡眠時無呼吸があると発育に影響しますか?

今年の冬は大変寒く、長かったように感じられましたが、いよいよ春です。日光も明るくなってきました。皆様いかがおすごしでしょうか。

今月は「子どもさんの睡眠時無呼吸」についてです。

 睡眠時無呼吸症候群は、大人だけの病気ではありません。子どもさんにも存在します。ただ、症状が成人とは多少異なります。

 成人の睡眠時無呼吸症候群では、昼間の眠気が主で交通事故が多い(健常人の7倍!!)、労働災害が多いなどです。しかし、子どもさんの場合は、昼間の眠気でなく、過活動や注意欠陥・多動として現れることがあります。

 いびきをかくことが多いのですが、いびきは気道が狭くなっている可能性を示し、熟睡を意味するわけではありません。子どもさんのいびきの原因は大きすぎるアデノイドと口蓋扁桃の鼻呼吸障害がほとんどです。そしてこどもさんでは、無呼吸よりも持続的な低換気状態が続くことが多いのです。

 毎晩のように胸がへこむいびきを子どもさんがかいているようなら、ぜひ耳鼻咽喉科を受診して下さい。その際、睡眠中のビデオを撮って持参されることをおすすめします。

 子どもさんの重症のいびきや無呼吸では発育、発達にも支障が出ます。もちろん勉強にも影響します。

子どもさんの睡眠時無呼吸は、特に発育に影響をおよぼします。
重症の睡眠時無呼吸の子どもさんでは、体重の増加や身長の伸びがわるく、やせ型の子どもさんが多いと言われています。また、子どもさんの成長に必要な成長ホルモンは眠ってしばらくして、深い睡眠に入った時に分泌されることがわかっています。しかし、睡眠時無呼吸があると深い睡眠がとれず、成長ホルモンの分泌も減り、発育に影響すると考えられます。

 子どもさんの重症睡眠時無呼吸、いびきの主な原因はアデノイドと口蓋扁桃の肥大で、気道が狭くなっていることです。アデノイドや口蓋扁桃を取り除くと睡眠呼吸障害が改善し、身長と体重が正常域に近づくと言われています。つまり治療をすることによって本来の発育を取りもどすことができます。

子どもさんのいびきや無呼吸は、手術治療(アデノイドと口蓋扁桃の摘出術)でたいていは良くなります。

手術は3歳でもできます。
免疫機能の低下も心配いりません。

子どもさんは睡眠時の呼吸障害があってもけっして「昼間眠い」などとは言いませんが、お母さんが子どもさんの寝ている姿を見て、「おかしいな?」と思ったら一度耳鼻咽喉科を受診してみて下さい。

 

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