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Tea-break・・・矢部院長からのちょっといい話

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○ 2015年10月 スギ花粉症 舌下免疫療法を始める時期

 「暑さ寒さも彼岸まで。」と言われておりますが、ことしはお彼岸が来る前に秋風が吹いていました。キンモクセイも咲いていいかおりがしていました。秋が短かった昨年に比べるとことしは秋が少し長く感じられるかもしれません。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 昨年の10月から発売された日本で初めての「舌下免疫療法剤 シダトレン」ですが、今のところ、最初に心配されていた大きな副作用もなく順調に使用されております。一番心配されておりましたアナフィラキーショックも今のところ報告がなく、ホッと胸をなでおろしています。そして効果の方ですが、これも約8割の方に有効といわれています。皆様、「8割」という方と「8割しか」という方がいらっしゃると思いますが、臨床の現場で見てみますと「これはかなりきいている」という実感です。

 しかも昨年は10月発売でしたので、スギ花粉の飛散開始まで、皆さん長くて5〜6ヶ月しか使っていませんが、それでも有効でした。完全にスギ花粉症が治るということは残念ながらありませんでしたが、かなり症状は軽減されています。いつもの内服薬(抗アレルギー薬)が全く不要というところまではいっていませんでしたが、内服薬(抗アレルギー薬)を内服すればかなり症状はコントロールされていました。少しわかりづらい表現で申し訳ございませんが、いつもの内服薬(抗アレルギー薬)を飲んでいても、「例年よりかなり楽」という感想の方がほとんどでした。

 そして発売1年がたち、今年の10月1日から今まであった処方2週間の制限がなくなります。無制限に処方できるわけではありませんが、患者さんが来院しなくてはならない回数は減少すると思われます。

 スギ花粉症と言いましても症状の軽い方から、とても重症の方まで程度の差はあると思います。特に重症の患者さんにお勧めです。というのも抗アレルギー薬のような「眠け」の副作用はありません。舌下免疫療法はスギ花粉症患者さんのQOL(quolity of life)をかなり上げてくれます。

 そして、スギの舌下免疫療法を始める時期がまた昨年と同様に12月いっぱいまでです。1月になりますと、少量ですがスギ花粉が飛びはじめ、シーズン中と判断されますので、舌下免疫療法を始めることはできません。今年もあと10月、11月、12月の3ヶ月です。「やってみようかな」と思っている方はぜひ始めてみて下さい。今から始めれば、きっと来年の春は楽に、さわやかにすごせます。

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